俺とゲーム 1.シェリフ (任天堂 1979)

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実を言うと、このゲームを本当にプレイしたのかどうかの記憶が定かではない。

多分してないのだと思う。

ただはっきりと覚えているのは、薄暗いフロアの片隅に1台だけ置かれたこのゲームが発する黄色い光だけだ。

 

当時のデパートは暗かった。

全国的かどうかは知らないが、少なくともうちの近辺のデパートはすべてが薄暗く、フロアが上に行けば行くほど暗さが増していた。

売り場はまだそれなりの明るさがあったが、最上階にあった飲食店街はフロア全体がまるで地下街のように暗く、また通路に無造作に物が積んであったりして、およそ健全な場所には見えない作りになっていた。

そしてなぜかレストスペースのような場所があり、そこにはタバコや飲料水の自販機のほか、誰が買うのか分からない記念メダル刻印機やアップライト筐体のゲームなどがスペースを埋めるためだけに鎮座していた。

 

両親に連れられてデパートに行った俺は、お目当ての店が満席だったからだろうか、そのレストスペースで時間を潰していた。

普段は立ち寄らない場所で私の目を釘付けにしたのは、父親がいつも買っていたタバコの自販機ではなく、黄色やピンクのキャラクターが音もなく画面上を行き来する長細い箱だった。

それが何であるのかは幼児だった俺には理解できるはずもなかっただろうが、その「キャラクターが何かの箱」の印象だけは今も鮮烈に残っている。

 

実は最近までそのゲームを「キング&バルーン(ナムコ 1980)」だと思い込んでいたが、画面写真を見たら今までの思い込みが何だったのかというくらいに確信が持てたので、これからは「俺のコンピューターゲームの原点はシェリフだ」と胸を張って言える。

胸を張って言うようなことなのかという疑問はあるが。

 


シェリフ(79・任天堂)