俺とゲーム 10.ロックンロープ(コナミ 1983)

全国的なものなのかは知らないが、俺の通っていた小学校ではテストが終わったらテスト用紙の裏に絵を描いて遊んでいてもいいというルールがあった。
俺も小さい頃は神童扱いだったので、小学校のテストなど15分もあれば解答欄が埋まっていた。
となると裏に絵を描いて遊ぶわけだが、その描いた絵の中で一番多いであろう題材がこのロックンロープの「架空の面」だった。


このゲームの特徴はワイヤーアクション*1と呼ばれる移動方法、これに尽きる。
なにせあのマリオですら用意されたハシゴを登ることしかできなかった時代に、ロープを使って自由自在に移動できるというのはまるでカゴから解き放たれたカナリアが大空に飛び立つようなものだ、とはさすがに言いすぎだが、それくらいの衝撃があったのは間違いない。
後にトップシークレット(ヒットラーの復活バイオニックコマンドー)やアルマナの奇跡に受け継がれるこのワイヤーアクションだが、その元祖がこのロックンロープなのである。


余談だが、このロックンロープの開発者である藤原得郎がコナミを退社し、移籍先のカプコンで制作したのがトップシークレット。
つまりメーカーこそ違えど実際はトップシークレットこそがロックンロープの後継ということになる。
更に余談だが、トップシークレットの主人公、スーパージョーは戦場の狼の主人公と同一人物である。
名作2作品の主人公にしては知名度が低いスーパージョーだが、実際俺もどんなキャラクターだったのかあまり覚えていない。


さて、テストの裏に架空の面を描くという俺ブームはしばらく続き、膨大な量の俺ロックンロープが制作された。
と言っても所詮小学生のアイデアなので段差の位置が違っていたり、敵の配置が嫌らしかったりという感じで傍から見ればほぼ同じようなものを毎回描いているというだけで、大人から見ればある意味注意すべき子供になりつつあった。
その症状は約2年後にあるゲームの登場により解消されることになる。
そう、ハシゴから解き放たれたあのヒゲオヤジに。


*1:もちろん当時はそんな呼び方はされていなかったが