ファミコンは発売から数カ月後に買ってもらった。
買ってもらうソフトはローンチであるドンキーコングとかポパイ、数カ月後に発売されたマリオブラザーズではなくなぜかベースボールを選んだ。
理由は全く覚えてない。
ベースボールの次に入手したのは祖母に買ってもらったゴルフなので当時から何か人とは違っていた模様。
んでまあテレビの後ろに線をつなげたりチャンネルをVHFにしたりいろいろセッティングして遊んでたんだけど、正直言ってほとんど覚えてない。
遊んでいた記憶はあるけど、その頃の感情が脳から削除されてるっぽくて喜んでいたのか失望していたのかすら不明。
アーケードにもVSベースボールというほぼ同じゲームがあったり、セガのチャンピオンベースボールというしゃべる野球ゲームがあったりしたのでそれには見劣りしてたけど、家で何度でもできるという点で多分満足してたはず。
というかベースボールの思い出はそういう普通の話ではなく違ったところにあるのでした。
ファミコンには前面に関連機器をつなぐコネクタがあるんだけど、そこにジョイボールとかジョイカードみたいな市販のゲームコントローラを接続して、本体コントローラの上下と接続したコントローラの上下をそれぞれ逆方向に入力(上と下、下と上)することで超スローボールが投げられるという技がある。
変化もめちゃくちゃになって左右にゆらゆら揺れるなんて序の口で、左右押しっぱなしにするとファールグラウンドのフェンスにぶつかったりするくらいの球が投げられるので小学生には大受けだったんですな。
でもジョイボールやジョイカードが発売されたのは1985年。
その前に出たファミリーキングやハドソンのジョイスティックは操作性が悪くて買う人もいない。
そんな状況でこの魔球を楽しむためにやったこと、それは。
素手でコネクタをいじくり回す。
小学生でこんなことやってる時点でもうダメですね。
まあコントローラ接続も指こねくり回しも異常信号を発生させるという意味では同じなんだけどね。
で、指でこねくり回すとたまにポーズがかかるので、それを解除した初球は必ず魔球になるということで楽しんでいたわけです。
そこでやめときゃよかったのにね。
まあ悪知恵というものは働くもんで、ヘアピンでなぞれは一発だぜというのを誰かが言ったんですね。
ヘアピンでコネクタ同士を接続して異常な信号を流しましょうと、そういうことです。
そりゃ効率良くなりますわ、金属だもん。
それでずっとこねくり回していたらある日突然ファミコンが死にました。
当然です。
任天堂がすごいのは、こんな壊し方したファミコンでも修理に出したら直してくれたんですよ。
当時は壊れたら直すに決まってるだろくらいの認識だったんだろうけど、今じゃ保証対象外の壊し方なのにね。
で、修理から帰ってきたファミコンには噂のアレがついてたんですよ。
「これが丸ボタン……」
最初期のファミコンのABボタンは四角いゴム製でヘタってきたら全然押せなくなったりしてたので、途中のロットからプラスチック製丸ボタンに変更されたのよ。
で、後から買った友人の丸ボタン評を聞くとかなり良さそうだったので羨ましく思っていたもんです。
その丸ボタンがついにうちにもやってきた、連射しやすいやったねみたいな気持ちになったのは覚えてます。
ベースボールのことは全然覚えてないけど。
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