「トライアングル」を観た(ネタバレあり)

今回はガッツリネタバレするのでちゃんとネタバレありって書いておいた、偉い。










↓ネタバレここから


ループものだと知ってた(というか映画紹介に書いてある)ので最後の15分ぐらいまで「あ、そこもループしてんのね」と思ってたんだけど、ラストのシーンでひっくり返った。
え、あのセリフこの作品全部の伏線だったのって。
まあ「アイオロス号」のくだりのことですが。


シーシュポス - Wikipedia
要するにこれを映画でやったってことなのね。
日本で言えば賽の河原ですか、積んでは崩し積んでは崩し。
結局ジェスとトミーは死んでいて、トライアングル号に乗ったのも「死神を騙してこの世に居座っている」と考えれば本当にそのままの話なわけで。
タクシーの運転手はさしずめペルセポネですか。
まあ居座ってる目的がループから逃れるためなのか、それともトミーへの贖罪のためなのか、それとも本当は目的などなくてただただ浮遊霊のようにループに身を委ねているのか、その辺はわからなかったしそれは各自やっていきましょうという感じなんですかね。
観た人の感想でも結構別れてるし、そもそもどこからどこまでループしているのかすら理解できてない人もいるし。(答え:全部)


ただ純粋に素晴らしいという感想の映画でもないのも確かなわけで。
結構粗が多いのよね、いろいろと。
死体が大量に残るのはいいんだけどそれ行くところまで行ったらどうなるのとか、死体が残らない人はどうなってるのとか、船に乗ってきたらリセット必須だと気づいてるのならまず自分じゃない方の自分を殺してあとはヨットから乗ってくる一行を威嚇するなりなんなりして乗せなければいいのではとか、つか乗せなければ乗らなかったジェスが帰るだけの世界線になるのではとか、そもそもループに気づいてるならなぜ船に乗るのを止めないのかとか思ったけど、それはまた別のループのジェスが全部解決しているのかもしれない。
所詮俺が観てるのはたまたまそこでループしたジェスの話でしかないのだ、みたいな。
まあそれはそれでいいんだけど、そういう疑問が次々湧いてきてしまって途中まで全部の選択肢を総当たりしてるアドベンチャーゲーム実況の答え合わせを見ているような気分だった。
最後の15分で救われた(俺が)けど、あれがなくて家に帰ってハイおしまいだったらはいはいって感じで「エンドレスエイトでした」とか書いて終わりだったのかなと思うと、粗が目立つのも案外悪くはないのかなと思ったり。


みたいなことを書きながら他の感想を見ていたら「事故で死んだ(ように見えた)のは家で殴られて死んだ世界線のジェス」というのがあって、今見返したら確かに倒れてるジェスのスカートに掃除していたときについた青の絵の具の跡があるし、そもそも車を運転していたのはホットパンツのジェスだったじゃんということに気づき、さーてこれはどう解釈すればいいのかみたいなことになりこれは答え出ないやつだなと思ったので考えるのをやめた。


何はともあれ、観た後にあれこれ考えるのが楽しい作品だと思いますよ。
全体的に見れば面白いし。
ただ粗が気になるとダメな人とか考察とか嫌いな人にはあんまりおすすめできないかな。
俺? 俺はだいたい何でも面白く観た後に答え合わせする世界線の俺だから。
俺はすべてを見ているゼウスだ! 俺は神様よ、そう映画の神様さ!(客のいる机に登りながら)(鼻マスクをつけながら)(マイク赤木に狂人扱いされながら)


ところで船内にあったドラムセットのバスドラと最後に交通事故見て腰抜かしてた少年が持ってたバスドラ、同じマークが書いてあるんですがこれは一体……(以下ループ)。


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