「危険なプロット」を観た

本当は違う映画を観るつもりだったんだけどプライム特典ではなくなっていたのでじゃあ何か別の映画を観ようということでなんとなく選んだ映画がこれはもう大変な映画だったのでこんな映画を観たあとはそりゃ句読点もどこかに行くわというテンションでお送りします。


あらすじを簡単に書くと、


とある高校の国語教師が新学期早々「週末の出来事を作文に書け」という宿題を出す。
提出された作文は作文とも言えないような低レベルなものばかりだったが、その中に気になる作文を見つける。
その内容は友人の家の内部を覗き見るような内容で表現も悪趣味だったが、教師はそこに文章の才能を見出していた。
教師は生徒に「読ませる小説」の書き方を指南し、生徒が書く「作文」は表現、内容ともにエスカレートしていく。
読者である教師とその妻は彼の書く「作文」にのめり込んでいくが……。


という感じ。
教師夫妻がヤバい生徒の書く「小説」の先を読みた過ぎて色々とヤバい感じになっていくサスペンスなんだけど、教師のヤバさと生徒のヤバさが別次元で両方怖いんだよね。
自分が読みたいものを書かせようとする厄介読者と厄介読者が望む以上のものを出してさらに読者を厄介にしていく厄介作者という感じで、厄介のスパイラルハリケーンや~という気持ちになってしまう。
あくまで作文であり実体験を書いてるだけだったはずなのに途中から虚々実々の入り交じる内容になってきて、どこまでが本当でどこまでが嘘なのかわからなくなっちゃうのよね。
それであれこれ考えてるうちにハッと気づく、これ俺も「作文」にのめり込んでんなって。
映画にものめり込んでるんだけど、作文の内容にものめり込んでいる不思議な感覚。
劇中劇とは違うなんとも言えない感覚ですげーすげー言いながら観てたらラスト20分ぐらいが本当にすごくて普通に声に出してすげーすげー言いながら観てました、すげーんだもん。
あと「嘘でしょ?」も3回ぐらい声に出したと思う。
嘘だろお前、そんなことしちゃって大丈夫かみたいな場面が多すぎる。
まあこのへんは詳しく書くとアレなので実際に観てもらったほうがいいかと思いますね。
俺この映画めちゃくちゃ好きだわ、ありがとう教えてくれた人という感謝の気持ちを絵ハガキに書いて送りたい。


んで観終わったあとに「そういえばこれと雰囲気似てる映画があったな」と思ったのね。
それが「スイミング・プール」という映画で、ある小説家の家にやってきた第三者の虚々実々な生活が「小説」として書かれているんですよ。
書く人間と書かれている人間がちょうど逆転した感じ。
結構昔にテレビで深夜に放送されていたのでなんとなく観て、なんかよくわからんけど好きだったんだよね。


そして調べたらあらびっくり、両方とも同じフランソワ・オゾン監督の作品じゃないですか。
じゃあ似てるのも当然だわ。
ちなみにそれを知ったときも「嘘でしょ?」と声が出た。
いろんな映画観ておくもんだね。


12/100


危険なプロット(字幕版)

危険なプロット(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/02
  • メディア: Prime Video