「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を観た

極道の組抜け問題を洋風アレンジしてみましたみたいな映画。
ただ日本の任侠映画みたいなどったんばったん大騒ぎみたいなのはほとんどなく、ずーっとじっとり湿った空気の中で話が展開されてる。
そりゃまあ実際アウトレイジみたいな何でもかんでも殺せばいいだろみたいなほうがおかしいんだよな。
それはそれで面白いんだけど。


でまあ組抜け映画なわけなんですが、話の流れが組抜けだってわかってからも話の予想がつかないんだよね。
みんなぶっ殺すような雰囲気ではないし、かと言ってひたすら逃げ回ったりするわけでもないし。
ドキドキハラハラはないけど、その分登場人物の心情とか考えながら観てましたね。
まあ考えたところで全然当たらないんだけどね。
その最たるものがラストシーンで、絶対それ言うだろってセリフが結局最後まで出てこなかったのよ。
それが出てればスッキリ終わるだろって思っても出ねえの。


でもそんなわかりやすい終わり方じゃないほうがこの映画らしいかなとも思うんだよね。
それだったら最初から変なやつ殺しちゃうだろ、みたいな。
人間はそんなに単純じゃない、だからこそこういう終わり方もそれはそれで良しって感じです。
スッキリ終わってなくても別に変なモヤモヤが残るわけじゃないしね。


主役のヴィゴ・モーテンセンもそんな映画の雰囲気にマッチしてた気がする。
佇まいからして影があって、何か裏があるんだろうなって空気がちゃんと出てたもんね。
ロード・オブ・ザ・リングにも出てたそうで、当然俺は観てません。
本当に何も観てないなお前は。


不満点はどうだろうな、セックスシーン別にいらなくね? と思った。
最初のはともかく2回目は何だったんだろう。
そこでセックスする必要ある?
と思ったけどなんかこんなランキングで4位に入っているらしく。
「映画のセックスシーンベスト10」!深くうなずくもよし、自身のベスト1を思い起こすもよし! - シネマトゥデイ
映画ってのは難しいですなあ。