俺とゲーム 12.パック&パル(ナムコ 1983)
(※今回から口調が変わります)
パックマンをやったことのないって人は俺世代ではあんまりいないだろうけど、俺はパックマンよりこっちの方をよくやってたんだよね。
パック&パルって何? って人も多いだろうから簡単に説明しておくと、まずクリア目的がパックマンと違う。
パックマンは迷路上にあるドットをすべて食べるのが目的なんだけど、パック&パルは部屋の中にあるフルーツをすべて食べることが目的になっている。
そのフルーツが置かれている部屋にはドアがついていて、対応するカードに触れないとその部屋のドアが開かないという変わった仕組み。
で、ドアが開いたら部屋に入れってフルーツを取れるわけだけど、そのフルーツを持ち逃げするキャラクターがいるのが2つ目の違い。
そのキャラクターがインストカードにも出ているミル。
緑のやつね。
ミルは当たってもミスにはならない、純粋に邪魔なだけの存在。
ミルがいるおかげで今までのゲームの根本を覆すゲームの攻略法が生まれたんだけど、それは後で。
3つ目の違いが、パックマンに攻撃手段ができたという点。
スペシャルアイテムを取ることによってモンスターに攻撃ができるようになった。
ギャルボスやラリーXのマイカーなどのアイテムがあるけど、攻撃方法は見た目が違うだけで全て「モンスターをその場に足止めする」という効果しかない。
ギャルボス
パックマンが攻撃手段を得ることでさぞかしアクティブなゲームになったと思いきや、実際にはアクティブとは程遠いゲームとなってしまった。
実はこのゲームには安全地帯というものがあり、画面中央下のオレンジ色になっている部屋の縦通路にはモンスターが入ってこない。
そしてフルーツを持ち運ぶミルは巣に戻る際、オレンジ部屋の上の通路を必ず通る。
つまりどういうことか。
安全地帯をウロウロしながら隙を見てドアを開け、ミルが回収してきたフルーツを通路で受け取るという攻略法が確立されてしまったわけですよ。
自分では全く動かずミルが持ち帰るフルーツを受け取るだけでクリアする様子から、パック&パルのパックマンには「ヒモ」という称号が授けられているとかいないとか。
もちろん子供の頃の俺はそんなことを知るはずもなく、アクティブにモンスターを攻撃しては囲まれて死ぬということを繰り返しておりました。
ただ、このアクティブに攻撃するという手段があったからこそ俺はパックマンよりこっちを選んでいたわけで、やる前からヒモ理論を知っていたら全くプレイしていなかった可能性を考えると、情報を知りすぎるのも考えものだななんて思ってみたり。
今の子どもはすべてを知ることからゲームが始まるので、ある意味不幸なのかもね。