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新聞配達ゲー。
自転車のハンドルを模したコントローラーで自キャラを操作し、アメリカンな家に新聞紙を弾幕のようにぶち込むある意味バカゲーである。
この頃のアタリのゲームはまともなインストカードもなく、何をすればどうなるのかといった説明が不十分なままプレイせざるを得ないゲームが多かった。
もちろんこのペーパーボーイも例外ではない。
コインを入れると出てくるのは全て英語という当時小学生の俺にはあまりにも高いハードルを超え、全く説明も読まず(読めず)にプレイを開始すると今度は自転車から何か白いものが発射されるという光景が目に入ってくる。
これは何を発射しているのか。
インストカードのイラストを見るとどうも新聞のようだ。
では新聞なのだろうと思ったが、それにしては出てくる量が異常である。
もしかしたら新聞配達に見せかけたエイリアン撃退ゲームなのではないか。
そんなことを思いながら進むとポストのような物体が目に入る。
ははあなるほど、ここに新聞をぶち込めばいいのか、と思い早速発射ボタンを押すもタコのようにぐねぐねと動く自キャラとやけに慣性が効いている弾道のせいで家の窓ガラスをぶち破るという大惨事。
これはダメだろうと思ったが、何故か得点が入っている。
ということはとにかく新聞を家の中なりポストの中なりにぶち込めばいいのか。
そう思ってプレイするもどうも点数が入る時と入らない時がある。
それもそのはず、新聞契約者の家の窓ガラスは割ってはいけないのだ。
逆に契約してないファッキン野郎の家の窓ガラスは壊せば壊せば得点が入るという完全にクレイジーなドラッグをキメた頭でしか思いつかないゲームなのだが、当然そんな説明はどこにもなく、あったとしても全て英語なので理解ができない。
そんなこんなでよくわからないうちにゲームオーバーとなるのだが、不思議なことに「またプレイしてみたい」と思わせる魅力がそこにはあった。
それは自キャラのぐねぐね自転車っぷりであったかもしれないし、体感的にはゼビウスのザッパー並の速度で射出される新聞の空飛ぶ速さであったかもしれない。
ガレージから飛び出てくるクソガキや交通法規を一切無視した動きを見せる自動車も味わい深かった。
ただ、日曜日の朝刊は少し重いというギミックには心惹かれなかったのは間違いないだろう。
なぜなら、そんな説明は誰もしてくれなかったから。