「仄暗い水の底から」を観た

ぼかぁね、映画を観るときは過剰なまでに感情移入するんですよ。
それ故にどうでもいいところで号泣したりするんですよ。
そういう映画の見方をする立場から言わせてもらいますとね。


これ誰に感情移入すりゃいいんじゃ。


いやジャパニーズホラーに感情移入はいらないというならそれまでなんだけどさ、じゃあこの作品をどうやって観ればいいのか、観ればよかったのかの答えが見つからないんだよな。
ぶっちゃけ中盤でストーリーの大体の流れがわかっちゃうんだから、それを裏切るのか裏切らないのか、裏切らないのならそれをどうやって見せるのかが監督の役割でしょ。
できてねえんじゃねえの、これ。
ラストも言ってることはわかるし何を見せたいのかもわかるんだけどさ、なんかこうモヤモヤするんだよ。
そこは最後に本来の光景を見せるとかなんかスッキリする見せ方あるだろって。
めちゃくちゃ話の輪郭がぼんやりしててむしろ霊のほうがはっきり見えるわって思った。
いや霊も見えてねえけど。
いやラスト以外では見えてるけど。
見えてねえところもあるけど。


つか途中で「団地に越しただけなのに」っていうフレーズが頭に浮かんでしまって、ずっと「団地に越したばっかりに……」
という気持ちになってたけど、そもそも内覧の時点であの惨状なのによくそこに決めたなって考えると自業自得じゃねみたいな感じになってしまう。
そう考えると余計感情移入できないんだよな、もう少しちゃんとしろやって。
出てくる人間はもれなくクズだし、娘と弁護士以外。


という感想を書きながら「スマホを落としただけなのに」の監督も中田秀夫だったことに気づき、ついでに「クロユリ団地」なんてのもあったことも思い出し「団地に越しただけなのに」が成立するなと思ったけど成立するもクソもそんな物は最初からない。
あと郁子役の菅野莉央がめっちゃ美人になって今でもバリバリ女優としてやっていることを知り、やっぱり目力がある子は才能もあるなと思った。


そんな感じです、個人的にはハズレ。


仄暗い水の底から
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