「殿、利息でござる!」を観た

泣いたか泣いてないかで言うとなーきーまーしーた!
泣いちゃ悪いのかよ!(唐突な逆ギレ)
ただこれは正当な泣きなので許してほしい、許可とかいらん!
なんですか情緒不安定ですか。


観る前はコメディ映画だと思っていたので、前半のテンポの良いコメディタッチがずっと続くのかと思ったら後半は完全に人情物でしたね。
その切替もシームレスというか不自然な感じではなく、人情物になっていくきっかけとか伏線とかもちゃんとコメディパートに含まれてたのでちゃんと成立してた。
コメディ部分があったからこそ、後半の話の流れがより心に響くものになったのではないかと思ったり思わなかったり。


キャラクターもいいんだよね。
みんな茶目っ気があって、キャラも立ってて、それが笑える要素だったり泣かせる要素だったりにちゃんとなってる。
キャスティングもいいと思う、西村雅彦とか絶対ああいうキャラだもんって。
羽生結弦も「おいおい畑違いの人間出して大丈夫か?」って思ったけど、お殿様役としては適任だったね。
なんかそのへんの百姓とは違う人種だって見ただけでわかるもん。
あと全然関係ないけど堀部圭亮が出てくると絶対悪人だと思ってしまう、俺だけかしら。


つか「悪いのはお上」みたいな話になるとちょっと説教臭くなりがちだけど、決して「偉いやつが悪いから一泡吹かせよう」みたいな感じになってなかったのは観る上ですごく気が楽だった。
よくあるじゃん、勧善懲悪っぽい演出の押しつけみたいなやつ。
ああいうのが鼻につくことがあるんだよね、具体的にどれとは言えないんだけど。
それがないだけでも良作ですよ。
いや全体的に観てかなりな良作だと思うけどね。


内容に全然触れてなかったな。
すげえ貧乏な宿場町があって、ただでさえ貧乏なのに伝馬役っていうお上の荷物運びまで自腹でやらされていて、このままじゃ錆びれる一方だっていうときに1人の茶屋がとあるアイデアを出す。
それが「お上に金を貸して、その利息で伝馬役の負担を減らす」というやつで。
冗談半分で言った話がどんどん大きくなって役人まで巻き込んだ話になり最終的に……って話。
ストーリーとしては単純だけど、それでもこれだけ面白くできるのはすごいと思いますよ。


ぶっちゃけ増税間近のこの時期に観るといろいろ思うところがあるんだけど、まあそういう現実のクソな話とは切り離して観られるのも映画のいいところなのかもしれない。
はい政治の話終わり!
みんな映画を観て楽しみましょう!
何この終わり方。


殿、利息でござる!
殿、利息でござる!
posted with amazlet at 19.09.20
(2016-10-05)
売り上げランキング: 116,988